『ショベルくんと あおい はな』/ヨーゼフ・クフラー、石津ちひろ(訳)
2022/04/28

ショベルくんたちはせせっと働いて、ビルを建て、橋をかけ、街を造っている。
あるときショベルくんは青い花を見つける。
青い花に水をやり、時には守ってあげて、夜には子守唄をうたってあげる。
ショベルくんにとって、青い花は特別になったんだね。
だけど、街の工事はどんどん進んで、ついに青い花の咲く空き地にもビルを建てることになってしまう。
そして、青い花は切り倒されてしまった。
悲しさでいっぱいになるけれども、青い花の種が落ちていることに気づくショベルくんは、種を街からずっと離れた山の中に植えてあげることにした。
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はたらく車はカッコいい。ショベルくんもカッコいい車の一つだ。
人々のために働くショベルくんだけど、ショベルくんの仕事は自然を壊して、人工物を建てることでもある。
その葛藤がシンプルによく描かれている。
ショベルくんが青い花に魅了されるのは、ショベルくんの心が優しいだけじゃないと思う。きっと、青い花自身も美しくて魅力的だったんだ。
自然を守りたいことと、人々が社会を作り人間の生活を営むことは、時に対立したり、一方的に破壊をしてしまうこともある。
だから、この本で扱っている問題はとっても難しい。
そんな難しいことを、シンプルに手短に絵本として読ませてしまうんだから、作者の力がすごいよね。