『なくのかな』/内田麟太郎(作)、大島妙子(絵)
2022/04/28

お父さんとお母さんとはぐれてしまったら……。
しかも知らない場所で……。
誰しもが一度は「迷子」の経験ってあるんじゃないでしょうか。
あのときの心細さ。
あのときの恐ろしさ。
足元から地面がなくなってしまったような、体の真ん中に穴が開いてしまったような、あの感覚。
思わず思い出してしまうんじゃないだろうか。
『なくのかな』では、お父さんとお母さんとはぐれてしまった男の子が、空想します。
こんなとき、怖い鬼でも泣くのだろうか。
怖いオオカミでも、つよいサムライでも、泣くのだろうか。
おばけだって泣くのかもしれない。
みんなみんな、泣いちゃうのかもしれない
—
実は、大人だって、知らない場所で、あてもなく一人ぼっちになっちゃったら、泣きたくなることもある。
わたしは、新宿でそうなったことがある。
夜行バスで家に帰るつもりだったのに、バスに乗り遅れてしまったのだった。
誰も知る人のいない東京の街で、しかも夜の新宿で、これから街も寝静まる時間に、一人きりで、置いてけぼりにされたのだ。
泣きたい。
そんなことを思い出した。
—
きっと、どんな大人だって、同じような気分になった経験があるだろう。
絵本を読みながら、迷子になった時の気持ちを一緒に話してもいいかもしれない。
迷子になったら、お父さんもお母さんもとっても心配していることも含めてね。