『たまごのはなし』/しおたにまみこ
2022/04/28

ネコは長生きすると猫又になって人語を話すとかなんとか言うけれども、たまごも長く使われないと、なにやら意思を持ち始めるらしい。
たまごは意思を持ち、そして自分で動き始める。
動くのはいいことだと、ほかのたまごを転がしてみた。
だけど、割れちゃった。
だから、長く開けられていないマシュマロの袋をあけて、中のマシュマロを起こしてみた。
マシュマロも、自分で動き始める。
ずっと一人ぼっちだった たまごは、マシュマロと出会って、言葉を覚える。
今まで一人だったから、声に出して話す必要なんてなかったけれど、相手ができれば、自分の意思を話さなきゃならない。
そうやって、たまごと、マシュマロの二人組ができあがる。
—
なんだか変な話だ。
変なたまごと、変なマシュマロ。
変な植木鉢や、変なナッツたちも登場する。
だけど、彼らを憎めない。
小さな家の中の、小さな物語。
もしかしたら、今、わたしのうちで起こっていることなのかもしれない。
—
なんだかんだと、わちゃわちゃと、話し相手がいるのは悪いことではない。
たまごも、マシュマロがいてよかっただろうし、マシュマロも、たまごがいてよかったんじゃないかな。
友達……なのかどうかはわからない。
だけど、たまたま同じ場所に居て、二人は出会って、言葉を交わした。
それだけでも、悪くはない。